地区活動

各地区の活動 【宮崎】

会長山口木浦木
事務局長池袋 寛
事務局
郵便番号〒889-1701
所在地宮崎市田野町甲2739-89
TEL0985-86-3486

金子兜太先生をお迎えしたみやざき市民俳句交流大会

【 地区の紹介 】

宮崎県現代俳句協会は会員約五十余名。総会時の俳句会、吟行会、会報による情報交換など俳句を核に交流と研鑽に努めています。

【 行事 】

(平成30年10月4日追加更新)
◇宮坂静生全句講評講座・宮崎県大会

宮坂静生前会長をかこんで


講座風景

日時 平成30年9月8・9日
場所 宮崎市青島・ホリデイインリゾート

8日の青島吟行会は横なぐりの風雨の中、金子兜太句碑や亜熱帯植物園を吟行。懇親会のあと吟行作品句会。
9日の句評講座は宮坂前会長が約70句全句を歯切れよく明快に講評、好評を博す。
宮崎県現代俳句協会創立25周年記念として、本部協力の下に開催。
宮坂静生前会長を講師に、大石雄鬼事業部長が臨席。

宮坂静生特選5句(短冊が贈られた)

初月夜礫一つの水谺        小倉櫻子

マンゴー完熟凪よ日暮よふるさとよ 長友 巖

せめてもの青空蝉の仰のけ死    妹尾題弘

露けしや自称凡夫の益荒男も    布施伊夜子

短夜やまだてのひらにある記憶   岩切雅人


◇平成29年度総会の概要
 平成29年2月4日、宮崎市の「日向かぼちゃ」にて開催。出席者27名、委任状8名。
 山口木浦木会長あいさつのあと、吉村豊氏を議長に議事進行。議題の平成28年度事業実績及び収支決算については異議なく承認。平成29年度事業計画及び収支予算については、本年度の吟行会は都城・北諸県地域を候補として事務局で進めることとなった。
 また、今年は12月3日に九州地区現代俳句大会を開催することから会員・役員一致して取り組むことを確認した。
さらに、今年は10月1日に俳人協会宮崎県支部主催の九州俳句大会、11月19日県俳句協会主催の県民俳句大会、12月が九州地区現代俳句大会と連続して大きな俳句大会が予定されており、県現俳協としても他の二つの俳句大会に協力することも確認しあった。29年度収支予算案も承認された。
 今期役員の任期が28年度で終了することから、役員改選を機に、事務局体制を強化する必要があるとして事務局長のもとに事務局次長及び事務局員を設置する案、役員名幹事を廃止して理事を設置する案、及び関連する規約改正案を上程し、承認された。
なお、新役員名簿は下記の通り。 
 顧 問   高尾日出夫、福富健男
 会 長   山口木浦木
 副会長   宇田蓋男、永田タヱ子、仁田脇一石 
 理 事   池袋 寛、岩切雅人、大浦フサ子、鈴木康之、妹尾題弘、
       玉木節花、長友 巌、服部修一、藤 野々子、吉村 豊
 監 事   清水睦子、疋田恵美子
 会 計   海蔵由喜子
 事務局長  服部修一 
 事務局次長 池袋 寛
 事務局員  海蔵由喜子、川島宏幸、疋田恵美子、藤 野々子
 青年部会長 吉村 豊

◇活動計画及び収支予算
一、活動計画
 ・会議     総会、幹事会
 ・句会     新年句会、有志句会、青年部句会
 ・吟行会    県南・県西地域
 ・青年部活動  随時開催
 ・会報発行   二回(誌上句会・吟行会報告、会員動向)
 ・その他活動  九州地区現代俳句大会実施
         俳人協会俳句大会、県民俳句大会等協力
         各種年鑑参加、未加入会員への積極案内
二、収支予算(単位:円)
(一)収入
 ・繰り越し    二六、九三六
 ・本部助成    五九、五〇〇(三十五名×一、七〇〇)
 ・会費      六〇、〇〇〇(本部三十五名、県一五名)
 ・雑収入         一〇
 ・合計     一五一、四四六
(二)支出
 ・会議費     一五、〇〇〇(幹事会費)
 ・事業費     二○、〇〇〇(句会・吟行会等活動)
 ・印刷費     五四、〇〇〇(会報)
 ・通信費     二五、〇〇〇(郵送料)
 ・消耗品費     八、〇〇〇(コピー代)
 ・雑費      二九、四四六
 ・合計     一五一、四四六

◇新年句会の模様

 総会終了後、同会場において恒例の新年句会が開催された。参加者は二十七名。五十二句の事前投句作品を七句選、高得点句より選評鑑賞した。司会は服部事務局長。最後に山口木浦木会長から高得点句作者に賞品が手授与され、有意義な句会が終了した。以下高得点句を評を付して紹介する。

   ふるさとを出て乱心の独楽一つ     長友 巖
 独楽の句でこんな句は珍しい。初句会で独楽が出て良い。独楽に自分を投影している。「ふるさとを出て乱心」とは自分のことではないか。自省の句。上五中句の比喩が良い。一方で、独楽と乱心があわないとの評あり。

   ひえつき節透き通るまで大根煮る    永田タヱ子
 ひえつき節の透明性と大根煮が良い。響きが良く、椎葉の里を思った。大根は透き通るまで煮るのが当たり前だから採らなかった、との評もあり。

   七度目の酉と出逢えて冬帽子      福島ミチ子
 今まで生きてきた喜びがある。現在も元気な様子が冬帽子で解る。冬帽子の季語が合うかどうか。

   ひとりずつ音の異なる除夜の鐘     檀上 隆
 「ひとりずつ」が良い。その人その人で除夜の鐘のつき方がある。心象的、その人の人生観がある句。上五中七の表現がよい。

   早春の卵が眠くなる時間        長友 巖
 卵は医者の卵か。頑張ってきた様子が卵でわかる。アニミズムの思いにかられたのだろうか、詩情のある句。

   豆撒や追はれし鬼ら居酒屋に      藤田長汀  
 面白い句。逃げた鬼はどこに行くのかと思っていたが、居酒屋にいたとは。

   いつも来てけふ来てけふの初雀     池袋 寛
 正月なので特別な感情かな。旧かなづかいがにより節目が出ている。初雀がストレートに詠まれて良い句。

   両腕を伸ばして心ポインセチア     清水睦子
 具体的な上五と心と季語が良く、句づくりが上手い。

   まっ先に春の来ている野球場   
 若々しい句。宮崎の春はまさにこの句のように、まず野球場にくるものなのだと実感させられた。

   獅子頭応急処置のガムテープ      藤 野々子
 伝統のものを大事にしている。村祭りの光景か祭の心意気が中七下五で十分出ている。

   混沌の世か身構える着ぶくれる     池袋 寛
 上五中七は厳しい句だが、着ぶくれる、で諧謔味が出た。上五の「か」を「や」としてもよいかもしれない。

   柚子熟れる明るき庭に帰り来ぬ     福富健男
 上五、中七で気持ちが良く出ている。ふるさとの「ホッと」した気持がよく出ている。

   すべらない話が続く受験生       山口木浦木
 受験生をやさしい目で気づかっている句。時節柄良し。

   南スーダンに詠まるる賀状鶏鳴くか   妹尾題弘
 地のつながりによるのか、遠くの力賀状が届くという珍しい句。時事俳句でなくても良い句だ。時事句として採った選者多し。賀状と鳴く鶏の取り合わせの意味不明との評もあり。

   難のがるる術なき現実実南天      海蔵由喜子
 実南天は難を除くと言うが現実がどうしようもない事態がつぎつぎと起きている。 

   例外という厳寒の門が開く       山口木浦木 
 世の中には例外はないという逆を詠んでおれらるのかと思った。例外と厳寒の門の取り合わせがよい。
(海蔵由喜子 記)

◇新年句会作品 (高得点句を除く)
   如月や鯉濃喰って政治論        永田タヱ子
   余生まだこれから屠蘇を祝うなり    小倉櫻子
   青い空青海原や凧光る         海蔵由喜子
   柔らかく踏むチップ材の道猪八重よ   福富健男
   アドバルーン初日の被災地如何かな   大浦フサ子
   初茜神の杜飛ぶ八咫烏         後藤ふみよ
   冬濤や揺れればいとう親子旅      藤林伸岳
   喪の友の時に冗舌去年今年       玉木節花
   日の丸の皺伸びにけり大旦       鈴木康之
   飛ぶ雲の無音枯山に風あふれ      仁田脇一石
   大晦日にはか巫女らの紅赤し      藤 野々子
   春立つやめでたき文の届く朝      倉田玲子
   寒月のな生り木の影が濃ゆくなる    高尾日出夫
   黙々と歩く頭上を冬の鵙        森 賜代
   水でもどす干し鱈のごと正月の眠り   吉村 豊
   布団から伸びる猫の手はさびし     亀田りんりん
   青春は体内にありお元日        疋田恵美子
   鰯雲ひろがりひろがり大入り日     服部修一
   朱の橋に袖振れあうも初天神      小倉櫻子
   年迎え高速空よりの座敷あり      大浦フサ子
   おさがりやおみくじ枝に結びあり    後藤ふみよ
   白菜やストイックに剥く六枚      藤林伸岳
   唐突に真つ黄に開き以後を石蕗     妹尾題弘
   金色の未来を秘めし枇杷の花      玉木節花
   ビル建つて木枯道を惑ひをり      鈴木康之
   大鷹の黄金色に澄渡る         仁田脇一石
   シーサーの土産幸呼ぶ松の内      福島ミチ子
   青春の笑顔映して初鏡         檀上 隆
   世の憂い天に返すや大どんど      倉田玲子
   もつれ合い光り合う音のして落葉    高尾日出夫   
   婆の背に容赦なく降る初霙       森 賜代
   薬膳酒ひと口ほどや去年今年      清水睦子
   初詣で健康守りの座標軸        吉村 豊
   イベントを掛け持ち転ぶシクラメン   亀田りんりん
   曼珠沙華夜は身の内流るるも      疋田恵美子
   母に冬来る噴火警報ひりりと来る    服部修一
   冬の朝渡る子供ら白い息        川島宏幸
   冬の朝黄色い声に返す声        川島宏幸

◇平成28年度吟行会記録
一、実施概要
(一)期日 平成28年9月28日(木・祝)
(二)場所 日向市東郷(牧水生家、牧水公園)、
      中島記念館
      句会 日向市障がい者センター会議室

二、高得点句
11点句  秋の蚊のゐて牧水の留守をいふ  池袋 寛
      馬小屋の太き梁かな萩の雨    池上玲子
8点句   旅の身の水澄み人も澄む坪谷   永田タヱ子
      遠のけばみな一景や秋の園    妹尾題弘
6点句   牧水と山河を越える萩の花    仁田脇一石
      ゆくところ水音ばかり彼岸花   仁田脇一石
5点句   生まれては消えゆく恋や鬼胡桃  岸上玲子
      語る人見ている秋の美術館    梶原敏子
      幼な日をおろそかにすな棗の実  疋田恵美子
      牧水の生れし里山平兵衛酢柑   福富健男
      曼珠沙華牧水夫婦の愛の歌碑   海蔵由喜子
      牧水も食した蕎麦やかまど跡   松浦奈保子

三、全員句(左記高得点句を除く)
    胡桃拾ひ牧水そばを啜りけり     鈴木康之
    牧水生家ビャクダンの実の雨しずく  松浦奈保子
    花野ゆくあれは牧水山頭火      早川 寳 
    坪谷川すでに名残りの曼珠沙華    小倉櫻子
    牧水の情趣に柿の太鼓判       山口木浦木
    台風一過牧水生家の縁に座す     海蔵由喜子
    幾山河歌碑に凭れるヤカランダ    服部修一
    山河に向く小さき生家菊日和     山口彰子
    秋暑なほ腹太らすうどん店      原田マキ子
    萩の花生家を前に我思う       川島宏幸
    バス停の名は「牧水生家」立ち寄らず 宇田蓋男
    夫婦歌碑の泪の数だけ萩散らす    森 賜代 
    たぎつ瀬の心音めける千日紅     妹尾題弘
    鮎焼いて牧水と酌む父が居る     鈴木康之
    牧水歌碑より蜉蝣の恋の道      小倉櫻子 
    子規居士の二日前に逝く残念牧水   宇田蓋男
    いざ旅へ牧水誘う谿の秋       踏田 拓 
    牧水の尾鈴富士なら郁夫の絵     服部修一 
    牧水歌碑随所にあって逃散村     福富健男
    牧水の里山美林涼新た        踏田 拓
    彼岸花生家に咲いて幾星霜      川島宏幸
    流星の行方は脚絆の詩遺す      大浦フサ子
    引出しに酒しのばせ萩生家      原田マキ子
    坪谷川水量多く虎杖花        疋田恵美子   
    牧水生家を伝えてよよと風の草    森 賜代 
    土間の土ひやひやとあり凸と凹    池袋 寛
    せせらぎの子守唄なる竹の春     山口彰子
    旅行かず母恋いもせず彼岸花     梶原敏子
    小雨きて牧水生家秋思濃し      早川 寳
    耳川に沈んで浮かぶ秋の顔      山口木浦木
    秋愁を両手いっぱい持ち歩く     永田タヱ子
    秋の雲坪や河原に声余韻       大浦フサ子
(記録:服部修一)

◇平成28年度総会総会記
1、総会の概要
 平成28年2月6日(土)、宮崎市のふるさと料理「杉の子」にて平成28年度総会が開催された。出席者23名、委任状17名。山口木浦木会長の挨拶のあと高尾日出夫氏を議長に議事が進められた。
 議事ではまず、事務局から平成27年度事業実績、収支決算と監査の報告があり、異議なく承認された。次に28年度度事業計画案及び収支予算案の審議が行われ、事業計画として吟行会を9月に開催することや青年部句会の実施、各種俳句大会や各種の年鑑への参加について説明と呼びかけがおこなわれた。また28年度は宮崎県俳句協会の創立50周年記念事業が開催される予定であり、県現俳協としても協賛広告や記念誌への参加など積極的に支援していくことで了承された。
 また会員減少傾向にともない、現代俳句協会の取組を友人知人へPRしてもらうため、幹事に『現代俳句』誌バックナンバーを託した。
 なお、本年度から3氏が新規に加入し、総会出席の檀上隆氏と萩原重憲氏が紹介された。
 平成28年度の役員体制は次のとおり。
  顧 問    福富健男、高尾日出夫
  会 長    山口木浦木
  副会長    宇田蓋男、永田タヱ子、仁田脇一石 
  幹 事    池袋 寛、岩切雅人、大浦フサ子、鈴木康之、
         玉木節花、長友 巌、服部修一、吉村 豊
  監 事    清水睦子、疋田恵美子
  会 計    海蔵由喜子
  事務局長   服部修一 
  青年部会長  吉村 豊    
2、活動計画
 ・会 議    総会、幹事会
 ・句 会    新年句会、有志句会、青年部句会
 ・吟行会    若山牧水の里(九月・日向市、宇田蓋男担当)
 ・青年部活動  随時開催
 ・会報発行   二回(誌上句会・会員動向)
 ・その他活動  県俳句協会五十周年記念行事支援
         九州俳句大会・九州地区現代俳句大会参加
         各種年鑑参加、未加入会員への積極案内

◇28年度新年句会
期日:平成28年2月6日(土)
場所:ふるさと料理「杉の子」
 総会終了後、恒例の新年句会が開催された。参加者24名。48句の事前投句作品をもとに7句選で高得点句より選評鑑賞し、批評した。終了後に山口木浦木会長から高得点者には賞品が渡された。
<高得点句>
  数の子や天下国家を語る子ら     萩原重憲
  妻の留守なんにも出ない冷蔵庫    服部修一
  きさらぎの重石の下でまあだだよ   山口木浦木
<全員作品>
  冬銀河新体操や球の如        内田トシ子
  泣き生れ黙の柩や風花す       永田タヱ子
  クリスタルの混声第九谺する     大浦フサ子
  初日の出いま群青の日向灘      小倉櫻子
  エンゼルの降りて今宵は白菜鍋    海蔵由喜子
  おおっぴらに人も疎林も貧乏ゆすり  高尾日出夫
  朝の玻璃(はり)冬木のつくる線刻画 福島ミチ子
  初夢や兜太の鯨現はれる       藤田長汀
  木枯しの白砂の崖を駈上がる     仁田脇一石
  パソコンの目脂を落す初鏡      鈴木康之
  大根のひげ空磨く夕間暮       踏田 拓
  いっせいに拳突き上げ初禊      森 賜代
  数の子や天下国家を語る子ら     萩原重憲
  白菜を干してとっぷり日が暮れて   長友 巖
  正月の少女になったプレゼント    黒田律子
  春近し巨星墜ちゆく国ありて     山口木浦木
  年波は難儀根気歳餅ひとつ      阿辺一葉
  どんど焼顔の愁いのほぐれたる    清水睦子
  八大竜王置き去りにして川鵜の里   福富健男
  風花の縄跳びの子の足元に      亀田りんりん
  火事ひとつ村いきいきといと蘇えり  池袋 寛
  風花や孫と喜ぶこころあり      檀上 隆
  コンビニへポストが移転鶲寄る    後藤ふみよ
  妻の留守なんにも出ない冷蔵庫    服部修一
  いま君はあの灯のあたり節分会    服部修一
  春寒や赤ちゃん語にて赤子抱き    後藤ふみよ
  大寒や滑り落ちたる釜の蓋      檀上 隆
  生き死にはまた別のこと大根煮る   池袋 寛
  大寒の絶対音感硝子窓        亀田りんりん
  枯葦に寄り添いて佇つ黒面篦鷺よ   福富健男
  金縷梅のじんわり咲くや幸せも    清水睦子
  縁かな天窓に破魔矢そよぎおり    阿辺一葉
  きさらぎの重石の下でまあだだよ   山口木浦木
  新年の申美しき暦かな        黒田律子
  寒茜だからじょうずに死んでやる   長友 巖
  凍蝶の己れの羽根をもて余す     萩原重憲
  成人式花魁風の帯しめて       森 賜代
  どんど焼夢の残滓の爆ぜる色     踏田 拓
  大寒の皇帝ダリアいざさらば     鈴木康之
  凍雲や岳父のような海に積む     仁田脇一石
  初凪や選りて手にする真黒石     藤田長汀
  黙初東雲一天領して櫻島       福島ミチ子
  黙契や冬の森鎮もりてあり      高尾日出夫
  正月や喜びだけの動物園       海蔵由喜子
  悦楽の人の世況(いわ)んや鳥曇り  小倉櫻子
  これっきりの励まし賀状東雲に    大浦フサ子
  鏡餅供えしばらく留守にする     永田タヱ子
  無骨なる蒟蒻玉や美味なりき     内田トシ子

◇有志句会の開催
 平成27年11月7日、宮崎市内の料亭「花月亭」にて、幹事会・役員会終了後、有志による俳句会を行った。句題は参加者から出た「恋」と「神の留守」とした。
<高得点句>   
  恋をするしゃべるエンピツ夜ながなり 永田タヱ子
  恋は木犀屋根飛び降りし青年よ    福富健男
  父恋し耳掻きほどの味の素      鈴木康之
<全員作品> 
  花と言い蝶々と言う恋もあり     服部修一
  恋に浮き恋に沈みて長き夜      山口木浦木
  いわし雲恋はだまし絵かもしれぬ   長友 巖
  打ち明けもいろいろありて恋紅葉   大浦フサ子
  好きですとはっきり言えぬ思草    海蔵由喜子
  黄落の向うは神の留守の村      長友 巖
  神の留守居留守もありやマイナンバー 大浦フサ子
  神の留守壁に逆さの蟷螂は      福富健男
  神の留守言われたままの格好で    山口木浦木
  南へ氏子千人神の留守        服部修一
  神の留守阿弥陀堂にて神楽かな    鈴木康之
  日月火水木金土神の留守       永田タヱ子
  門川の鯉太りをり神の留守      海蔵由喜子

◇安西篤氏を囲む俳句会 (海蔵由喜子記)
 大分から宮崎入りされた安西篤氏を囲み、平成27年11月15日の夕刻、宮崎観光ホテル内において県現代俳句協会主催による懇親会が行われた。懇親会でははじめに安西氏から「金子兜太先生の近況と自身の心境」といった内容でお話を伺った。同会会員で県俳句協会会長の岩切雅人氏が高鍋から駆けつけ、さらに山下淳夫人弘子さんや福富あつ子さんの参加もあって、賑やかで有意義な一夜を過ごすことができた。
 翌日は宮崎市内の料亭で有志句会が行われた。句会には宮崎俳句研究会会員15名や県現代俳句協会会員である長友巖氏と檀上隆氏が参加し、18名36句の作品を皆で選句、選評した。
 以下、互選の結果を高点句にしぼり、安西篤氏の評を交えて紹介する。
 〇黄金田は広くて戦闘機が一機      修 一
 黄金田の平和な風景に戦闘機の飛ぶ危うさがある。黄金の穂波に戦闘機の影が映っており、それは時代の影でもある。
 〇銀の芒の誘う猿田彦          タヱ子
 猿田彦は神話に登場する土地にちなんだ神であり、この句は挨拶句として優れている。
 なお、猿田彦は、ニニギノミコトを伊勢国五十鈴川上に道案内したという神で、後に道祖伸とにも結びつけられたとのこと。
 〇秋の日の音楽室に水の層         篤
 これは安西氏の句であったが、明るい日差しが差し込む音楽室の雰囲気にみずみずしい水の層を感じるという感性、感覚が新鮮といった評が聞かれた。
 〇頬も指も蜜柑色して北風の子ら      拓
 北風の子らといえども元気に駆け回っている景を、頬も指も蜜柑色としたところがよい。
 〇あきざくら寄る年波と人の波      修 一
 〇一人寝の三方空き家螻蛄の鳴く     惠美子
 〇文化の日臓器(オルガン)の鍵きしみおり 篤
 「臓器」に「オルガン」のルビが特異な作品。このルビがあることで鑑賞の幅が広がる、など話題となった。作者は安西氏。選評で安西氏が「一般にルビ俳句は賛否が分かれるが、これは許容範囲でしょうね」と人ごとのように評されたのがおもしろい。
 〇たましいのたとえば「景清」秋夜かな  惠美子   
 「たましいのたとえば」のフレーズは現代俳句ではこれまでにも使われてきたが、「景清」には具体性がある。
 さて、選評も一段落したころ賞品授与となった。安西篤氏が用意されていた色紙、短冊、カレンダーなど得点順にもれなくいただくことができて、皆、感激一入であった。こうして句会は午前中で終了、昼食をいただいて、閉会となった。

平成27年度吟行会作品   
期日:平成27年10月4日(日)
場所:フローランテ宮崎
<高得点句>   
  点景に我もをりけり秋の園       妹尾題弘
  爽やかな風に包まれ乳母車       倉田玲子
<全員作品> 
  一輪の魁(さきがけ)コスモス一輪車  踏田 拓
  ガーデンのアートの染みる秋の空    永田タヱ子
  ひむかなる秋をぎゅぎゅっと花の園   鈴木康之
  松林抜け来る風に秋がゐる       藤田長汀
  幻に生きてつくつくぼうしかな     小倉櫻子
  松ぼっくり空をかくして飛ぶを待つ   後藤ふみよ
  栃の葉に盛りたい羊雲の無く      高尾日出夫
  撒水の飛沫のまわり赤蜻蛉       岡田真喜子
  爽やかな風に包まれ乳母車       倉田玲子
  点景に我もをりけり秋の園       妹尾題弘
  マイガーデンみな鶏頭が主です     池袋 寛
  ひたすらに選ばれずとも草の花     梶原敏子
  弦楽で養生中の秋芝生         山口木浦木
  神々の里の花野や鬼も呼び       藤林伸岳
  コスモスや深く燻る戦の火       仁田脇一石
  モーツアルトに極楽鳥花色をたす    清水睦子
  十月の晴れて写真を撮り合うよ     服部修一
  爽やかに日韓交流あれとうがらし    森 賜代
  世界平和祈るほど成れ地球柑      森 賜代
  金木犀加賀の千代女とすれちがい    藤林伸岳
  蜘蛛のミイラ結界守る秋の風      踏田 拓
  どの道を来ても庭園秋あふれ      永田タヱ子
  鶏頭を膝に微笑むテラコッタ      鈴木康之
  黒潮を遙かに別れ烏かな        小倉櫻子
  水を下さい炎をあげて槍鶏頭      後藤ふみよ
  風立つや松の木陰の昼の虫       藤田長汀
  クラシックに酔いしれ色葉舞いにけり  海蔵由喜子
  秋蟬の忙しく我の脳叩く        海蔵由喜子
  襤褸(ぼろ)置いてこんもりと夏の草花 高尾日出夫
  花おくら黄色ひらりと空をとぶ     岡田真喜子
  花園のとびらを開けて風を知る     倉田玲子
  鶏頭にささやきゐたりスピーカー    妹尾題弘
  西洋の花とりどりに秋思なし      梶原敏子
  若き日の飢え懐しやぐみ熟るる     池袋 寛
  サルビアの赤が青ざめ紫に       山口木浦木
  島嶼(とうしよ)と呼ばれハイビスカスの怒り 仁田脇一石
  水道水に秋の光の屯する        清水睦子
  法師蟬イギリス詩人は石像に      服部修一

(記録:服部修一)