地区活動

各地区の活動 【都多摩】

会長柏田浪雅
事務局長稲吉 豊
事務局
郵便番号195-0055
所在地町田市三輪緑山1-28-19
TEL044-987-1716

平成29年度定時総会で挨拶する柏田浪雅会長

【 地区の紹介 】

(活動予定・記録は下へスクロールしてご覧下さい。)

平成28年度定時総会・新春俳句会会歌斉唱

 私たち東京多摩地区現代俳句協会は、東京都の23区を除く市部、多摩地区に居住する会員で構成され、東京郊外の武蔵野一帯を主な拠点としています。昭和58(1983)年7月に発足し、今年33周年を迎えました。
定時総会や俳句大会など主要なイベントは、おもに武蔵野市、立川市を中心に行なわれていますが、吟行会や月例の俳句研究会などは各地の持ち回りで実施しています。その活動状況は、年4回発行する会報「多摩のあけぼの」によって会員の皆様にお知らせしています。近隣の地区協会、特に東京都区協、千葉県協、神奈川県協とは長期にわたり親密な交流を続けています。
会員の合同句集『多摩のあけぼの』は、これまでに第六集を刊行しました。
当会独自の「東京多摩地区現代俳句協会賞」は、今年は第7回を募集しています。また当協会には独自の会歌《多摩のあけぼの》があります。この歌は、顧問の沢田改司氏作詞、参与の宮川としを氏作曲によるもので、多摩の豊かな風土と、会員の連帯を高らかに謳っており、会合の冒頭には全員で斉唱し大変好評を戴いております。

多摩地区協会への入会は随時受付けております。
(本部会員以外の一般会員の方の年会費は2000円です)
お申込みは事務局へ(044-987-1716)

俳句研究会に参加を!!
毎月行なわれている「俳句研究会」は、土曜の午後の楽しい句会です。
(講師による約1時間の講話のあと、参加者全員の互選による句会と合評)
出句一人3句。会費は500円です。
初めて参加される方、会員でない方、大歓迎です。

『投句による参加』もできます。〈在宅句会〉
さまざまな事情で会場へお出掛けになれない方は、投句による「俳句研究会」への参加もできます。
◇開催日の1週間前までに投句してください。
◇出句は一人3句です。(選句はありません)
◇長さ20cm程の短冊に一句ずつ書いてください。(用紙は何でも結構です)
◇参加費は1000円です。(出句と同時にお送りください。)
◇句会終了後、全作品の清記用紙と高点句、出句された作品の成績、寸評等をリポートとしてお送りします。

[投句先]〒180-0006 武蔵野市中町3-29-19 蓮見徳郎方「俳句研究会」投句係宛
[お問合せ] 永井潮 TEL 042-492-4516

【 行事 】

[2018年3月15日追加更新]
<平成30年上半期活動予定> 
3月17日(土)第三回俳句研究会 立川市子ども未来センター
3月25日(日)平成30年度多摩現代俳句協会総会
4月21日(土)第四回俳句研究会 立川市子ども未来センター
5月12日(土)春の吟行会(昭和記念公園予定)
5月26日(土)第五回俳句研究会
6月23日(土)第六回俳句研究会

立川市子ども未来センター
〒190-0022 立川市錦町3丁目2番26号 042-529-8682googleMAPSで確認する
※JR立川駅から徒歩13分、多摩モノレール立川南駅から徒歩12分、JR西国立駅から徒歩7分
※有料駐車場あり

かたらいの道市民スペース
武蔵野市中町1-1-16 武蔵野タワーズスカイクロスタワー内。TEL0422-50-0082
※三鷹駅北口徒歩2分。

上記が使えないとき、立川市女性総合センター中央図書館と同じ建物です。)
〒190-0012 東京都立川市曙町2-36-2
ファーレ立川センタースクエア内(1階と5階)電話042-528-6801
JR立川駅北口から徒歩7分。多摩モノレール立川北駅から徒歩5分。
いずれも歩行者デッキでおいでいただけます。
このほか、くるりんバスもご利用いただけます(女性総合センター下車すぐ)。

[2018年3月15日追加更新]
〈平成30年活動記録〉
第2回 俳句研究会 
2月24日(土)立川市子ども未来センター
担当幹事 佐々木克子・玉木康博・吉村春風子・根岸操・根岸敏三・石橋いろり・関 梓・白尾幸子
参加者 46名
★講話・・・環 順子 「きものと俳句を親しむ」

青鮫を庭に遺して兜太逝く       夏目 重美
海光のちらばっている雛あられ     佐々木克子
青鮫も狼も泣く兜太逝く        松元 峯子
白魚の魂までも透けてをり       越前 春生
棟梁が春を留めおく槌の音       大槻 正茂
身の丈に合った幸せ桜餅        飯田 玉記
肩抱いて別れは言わず春の雪      白尾 幸子
初蝶を見し夕ぐれを書き止める     前田  弘
山笑ふ笑い返して雲はゆく       水落 清子
まっ先に主治医へ二月のチョコレート  紺谷 睡花
巻きぐせの残る暦や梅の花       大友 恭子
花種を蒔くや立川ローム層       平井 照子
冬青空摑み着地のスノーボード     川島 一夫
紅梅の花の数だけ日の温み       吉村春風子
水温む母がしていた割烹着       飛永百合子
酢海鼠の命の一部噛み切れず      永井  潮
菜の花忌鯨が空を泳いでゐる      米澤 久子
筋書のなき世に重く春の月       山口 楓子
春昼のからすの影が本の上       小田  笑
宿六がまた股火鉢春の雪        淵田 芥門
マンションの百のポストへ春きざす   秋山ふみ子
貝殻を瓶に眠らせ浅き春        環  順子
春の夜やギネスの黒にモダンジャズ   満田 光生
時間とはもと星だつた蕗の薹      柏田 浪雅
五百年並ぶ石仏山笑う         小山 健介
曇る空木の伐り口の寒い声       山崎せつ子
農工大2号館裏梅香る         宮井 洋子
けんげ田に大空ありて鳶の輪      長澤 義雄
温さうな人を見てゐる寒さかな     三浦 土火
舟べりにたぷんたぷんと春の波     河井 時子
二月尽地球に瑕疵のある如く      高野 公一
相席の餡掛饂飩余寒かな        大森 敦夫
 悼・兜太
木の芽月夜真神に応と荒凡夫      稲吉  豊
雪解原一枚二枚千枚田         辻  升人
川しづか太宰の径に梅ひらく      根岸  操
沈黙は深き言葉 涅槃西風       関   梓
春寒や狼吼えろ兜太死せり       亀津ひのとり
冬菫色にかくれた強さかな       戸川  晟
かまくらを造る輩の少年の貌      西前 千恵
道の端に残りし雪の汚れかな      夏目  瑶
二月雪一点の黒ありレトリバー     玉木 康博
花の冷えもう天国に着いたのね     新井 温子
北陸の大雪止みて春北斗        浮海 早苗
梅東風や合格祈願絵馬素読       根岸 敏三
初桜庁舎に届ける二人かな       石橋いろり
食洗機せっせと働き寒明ける      佐藤八重子


第1回俳句研究会 
1月27日(土)立川子ども未来センター
担当幹事:水野二三夫・佐々木克子・根岸操・稲吉豊・大友恭子・石橋いろり・関梓
参加者39名
◎講話 長井 寛氏「現代俳句協会七十年史」

掃除機の吸ひ残したる冬日差     米澤久子
星々を乗り継いでくる大白鳥     長井 寛
知らぬことそのままでいい日向ぼこ  秋山ふみ子
佇めば枯野歩めば尚枯野       越前春生
熱燗を振つて友の死確かむる     柏田浪雅
賄ひの飯はどんぶり寒卵       稲吉 豊
寒波襲来きんぴらごぼう甘辛く    飛永百合子
霜柱体重計に乗るように       根岸敏三
冬霧や終と言えども仮の家      石橋いろり
水が湯に変わる音聴く寒夜かな    永井 潮
簡潔に数字で答え寒卵        前田 弘
無洗米一合炊いて久女の忌      紺谷睡花
マスクはづす空の匂ひを吸ひにけり  根岸 操
一陽来復端布でつくる鍋掴み     関  梓
終活期二草だけの七日粥       小山健介
青空や雪野こんなに広いとは     門野ミキ子
初富士へトランペットを吹く少年   三山喜代
元朝の水底の鯉去年の夢       大槻正茂
置き去りの遺骨に吹くや涅槃西風   夏目重美
庭先に待たせておりぬ冬満月     大友恭子
宍道湖の夕日のつつむ浮寝鳥     浮海早苗
霜柱土の息吹の遠からず       佐藤八重子
冬の蝶音の消えたる動物園      小田 笑
デカルトもカントも好きな雪女    佐々木克子
本意ならず一つ増えたる年の豆    吉村春風子
顔いっぱい荒き風受け梅探る     藤井みき
初声の犬の裏声ありにけり      飯田玉記
神木に積む雪しづる夜の静寂     長澤義雄
大洋の波に揺られつ去年今年     夏目 瑶
春待つや箪笥に母の闘病記      水野二三夫
曇天のうっすら孤独冬桜       山崎せつ子
寒晴の蒼空流す隅田川        河井時子
枝打ちの音高きより檜山       亀津ひのとり
桃子さんおらもひとりだ納豆汁    白尾幸子
張り通す意志のくだけて寒昴     山口楓子
一月の漬物一月の味         戸川 晟
凩や荷台の文字はかもめ号      大森敦夫
焼そばパンさわやかに食べサッカー部 松元峯子
牡蠣啜る夫婦黙する差向ひ      三浦土火

<平成29年活動記録>
第12回 俳句研究会
12月23日(土)立川市子ども未来センター
担当幹事  吉村春風子・佐々木克子・玉木康博・山崎せつ子・稲吉豊・根岸操・浮海早苗
参加者42名
★講話・・・沢田 改司氏「多摩のいまむかし」

これからも同じ生き方障子貼る     越前 春生
大仏の目から始まるすす払い      沢田 改司
ゆったりと老いて行きます冬うらら   飯田 玉記
柚子風呂や夫は二次会三次会      飛永百合子
誰からも愛されていて葱の黙      戸川  晟
懐手して淋しさとも違う        門野ミキ子
歳月に香りがあれば寒桜        大友 恭子
数へ日や紙を丸めて遠眼鏡       稲吉  豊
百才を保証されても寒椿        宮井 洋子
判決を聴く百脚の冬の椅子       柏田 浪雅
狐目の新車が届く小春の日       西前 千恵
気付かずにゐるが幸せ隙間風      吉村春風子
冬麗を透かしてけやき大樹かな     山口 楓子
霜柱ぐさと切字を踏み入れる      櫻本 愚草
言葉時に刃となりぬ冬旱        佐々木克子
歯科医院窓から見える花八つ手     根岸 敏三
明るくて君が見えない冬銀河      永井  潮 
さまざまな木肌を見せて冬ざるる    秋山ふみ子
福引のティッシュペーパー 近松忌   米澤 久子
老人の輪投げ転がる冬座敷       根岸  操
レノンの忌ジャズの流れる母校なり   小山 健介
今生の普請了へたり除夜の鐘      三浦 土火
もの忘れ呆れる吾や冬の鵙       夏目  瑶
焼酎が好きで冬野の爺となる      辻  升人
冬耕(うな)う光る土の香土の色    石橋いろり
大根煮て鬼の居ぬ間の一人酒      佐藤八重子
凩や横っ飛びする群雀         河井 時子
冬の宿どこにもいないはは探す     浮海 早苗
横道にそれた証のいのこずち      宮腰 秀子
がらんどう片づく部屋の寒さかな    広瀬 孝子
真冬くる正攻法でやってくる      新井 温子
白鳥のこころ定まる水の上       高野 公一
犬を描く柴犬を描く年賀状       松元 峯子
山を見て寒いと誰に言うでなく     小田  笑
山々に日あたり野には風の枯れ     山崎せつ子 
ちちははの昭和は遠し枇杷の花     関   梓
口中に溶けゆく柿よ身知らずよ     川島 一夫
退屈で鵙の横貌みてしまふ       水落 清子
父母のものほぼほぼ捨てず年の暮    白尾 幸子
木造船漂流の海雪起し         前田  弘
手袋のほつれを隠す使ひ方       水野二三夫
丹前の柳行李の重さかな        大森 敦夫

第11回 俳句研究会
11月25日(土)立川市子ども未来センター
担当幹事 稲吉 豊・佐々木克子・玉木 康博・三浦 土火・石橋いろり・飛永百合子・佐藤八重子
参加者36名
★講話・・・江中 真弓氏「『昭和俳句作品年表』編纂の記」

石蕗の花今がゆっくり過去となる      山崎せつ子 
木枯や例文通り打つ弔電          小田  笑
極月のゴムの木を拭く漢かな        宮井 洋子
汚れきった障子の過去を貼り替える     永井  潮 
秋深し土偶笑むとも愁ふとも        三浦 土火
一人分離れて障子側に寄る         飛永百合子
蕎麦のくる前の枡酒三の酉         米澤 久子
白鳥の修羅となる餌を撒きにけり      越前 春生
小鳥来る指輪を外す手術室         根岸  操
初恋や水が始めて氷る頃          大森 敦夫  
鳥影のつぶてとなりぬ冬の暮        秋山ふみ子
日短や五目煮豆を煮て終る         水落 清子
フクシマの生命地に映ゆ草紅葉       櫻本 愚草
安らぎは父母のふところ冬銀河       紺谷 睡花
先頭の子の踏みしだく落葉かな       山口 楓子
靴下の模様別々小六月           稲吉  豊
冬草や余白は余白のままでおく       門野ミキ子
さびしさに北限ありや枯葎         吉村春風子
愚痴もでて自慢もありておでん酒      河井 時子
父ついに何も語らず枯芙蓉         白尾 幸子
寒月へわが分身の接近中          高野 公一
忘却のさなかに生きて花茗荷        浮海 早苗
言い訳の手紙とどくや小春の日       大槻 正茂
蜜柑光る島の時計屋四代目         関   梓
初雪や寛解の人隣席に           柏田 浪雅
小春日に子規そっくりの人と居る      佐々木克子
時雨忌や魚鼓を叩いて義仲寺        佐藤八重子
若人の美しき横顔クリスマス        大友 恭子
その下を舟の行き交う松手入        藤井 みき
綿虫の行方追ふ目の暗むまで        江中 真弓
有名人から案山子になってゆく       川島 一夫
団栗囓り縄文人になりすます        宮腰 秀子
走り根の芯駆け昇る地の息吹        辻  升人
空は晴れ紅葉の舞台主役なり        玉木 康博
ネクタイ弛め大技小技の鍋奉行       石橋いろり
枯芦や公魚の群影をつれ          夏目  瑶

◇第10回 俳句研究会 
10月21日(土)立川市子ども未来センター
担当幹事 小山健介・佐々木克子・藤井みき・戸川 晟・関  梓・佐藤八重子
参加者32名
★講話・・・水落 清子氏「俳句と病気〜私の場合」

水中に砥石眠らす十三夜          越前 春生
稲架幾重海へ展ける風の道         河井 時子 
秋まつり地べたに本を売る男        山口 楓子
小鳥くる窓辺は母の指定席         佐々木克子
にちにち草手を振る父母の点となり     白尾 幸子
良いことは葡萄と共にやってくる      戸川  晟
セーターは水色閉所恐怖症         小山 健介
原っぱや土管大声いのこずち        石橋いろり
銘仙の機音絶えて秋の声          佐藤八重子
秋耕の水は残らず地に還る         関   梓
秋明菊レンズ静かに近づける        根岸  操
人気(ひとけ)なきこの道が好き花芒    紺谷 睡花
それぞれの心ゆくまでつむ花野       西前 千恵
話すこと口いっぱいにざくろの実      永井  潮
いわし雲消化試合の野球場         水野二三夫
血のにほひする石舞台文化の日       柏田 浪雅
踏まれいる邪鬼の恍惚 秋冷        松元 峯子
紙にペン黒いぶだうに種がある       小田  笑
木戸叩くに合図ありけり十三夜       藤井 みき
ケルンまであと一息と吾亦紅        大槻 正茂
出してみる母に近づく秋袷         水落 清子
ひと筋のいのち秋曳く飛行機雲       櫻本 愚草
期日前投票の列野分来る          宮井 洋子
秋夕焼山懐に人ら老い           辻  升人
人声も夜霧に沈む野天の湯         長澤 義雄
道半ばナナフシに遭(あ)う秋の空     川島 一夫
逆縁は神の采配杜鵑草           飯田 玉記
ひとり待つ銀河鉄道ステーション      浮海 早苗
句に遊ぶことば積みあげ柿実る       大友 恭子
ゐずまひを正して酌めり萩の宿       三浦 土火
朗報のピンク電話や萩の花         大森 敦夫
背高泡立草雨に滲んでいるばかり      山崎せつ子

◇第9回 俳句研究会
9月24日(日)武蔵野市かたらいの道・市民スペース
担当幹事 戸川 晟・佐々木克子・玉木康博・根岸 操・藤井みき・石橋いろり・佐藤八重子
参加者33名
★講話・・・満田 光生氏「郊行と蕪村」

ジーンズのほど良き疲れ敬老日     藤原はるみ 
身仕度の合ひ間合ひ間の鉦叩      秋山ふみ子 
姑の物言ひに似て秋風鈴        稲吉  豊  
思ひきり曲るへちまよ獺祭忌      江中 真弓
吾亦紅黙っていてもわかるひと     水落 清子
秋場所のさじき珊瑚の髪かざり     山口 楓子 
貝殻の白き手ざわり雲は秋       佐々木克子
お早ようとトンボが滑空露天風呂    玉木 康博
故郷は墓一つだけ吾亦紅        白尾 幸子
晩年の仕上げ秋の蚊つれ歩く      高野 公一
畏ろしき師や全身で跳ぶ螇蚸      満田 光生
秋の燈や酔うてかなしき神楽坂     水野二三夫
まだ慣れぬ風になびけぬ青芒      戸川  晟
密談のやうに西瓜を食べてをり     越前 春生
酔芙蓉本音はいつも胸のうち      高坂 栄子
コスモスに我が帰るべき星を問ふ    柏田 浪雅
菜虫採る妻の眼の生き生きと      根岸 敏三
路地裏といふ秋風の迷ひ道       吉村春風子
網棚にぶどう足下にもぶどう      長澤 義雄
丸茄子や無人の小屋の文字太し     大森 敦夫 
大ぶりをふたりで分ける秋刀魚かな   佐藤八重子
泣きたるはをのこなりけりすがれ虫   三浦 土火
昼の虫ロールキャベツの煮える音    根岸  操
島唄に両手ひらひら虫の秋       藤井 みき
風さがすどこからとなく金木犀     山崎せつ子
秋彼岸地主の墓所や享保より      浮海 早苗
長き夜の筋なき夢を母過り       淵田 芥門
空ら咳で親に詫びをり秋彼岸      永井  潮  
言はずとも察し合ふ老秋海棠      関   梓
児の没年彫られしベンチ団栗一つ    石橋いろり
朗々と虫すだく中を苦吟かな      夏目  瑶
おはぎ買って彼岸中日煮〆炊く     宮井 洋子
とろろ汁廃炉に時を擂り下ろす     櫻本 愚草

◇第8回 俳句研究会
8月27日(日)武蔵野市かたらいの道・市民スペース
担当幹事 根岸敏三・根岸操・玉木康博・飛永百合子・大森敦夫・関 梓・浮海早苗 
参加者36名
★講話・・・佐藤映二氏「宮沢賢治の詩の魅力」

影もまた風に吹かるる鳳仙花       吉村春風子 
抗へど夜も炎帝の添寝かな        淵田 芥門
炎天の欅は人に優しくて         松元 峯子 
秋風や板戸に浮きし釘の天        稲吉  豊 
探しもの一つもない日秋麗        関   梓
手花火や小脇に余る袂かな        佐藤八重子
曇る朝もうどんぐりが落ちている     山崎せつ子  
桃の種割って生まれし猜疑心       永井  潮 
空蝉の強き怒りをなほ宿し        柏田 浪雅
秋鯖や蛇口を水のほとばしり       江中 真弓
高層ビル内階段の残暑          小田  笑
原発へ二十キロ圏盆踊り         飛永百合子
すっきりと富士額見せ祭髪        藤井 みき
独り居の素のままさらす熱帯夜      宮井 洋子
街騒が驟雨の音となる渋谷        門野ミキ子
時には兄のように白百日紅        前田 光枝
ほほづきの酸つぱさにある母の里     根岸  操
波の音夏の島より持ち帰る        新井 温子
AIが人を超える日流れ星         高坂 栄子
白壁の土蔵に家紋秋澄めり        浮海 早苗
反省と出発点の八月尽          根岸 敏三
浮き沈み傘忘れざる海月かな       水野二三夫
誕生日まるごとトマト皿笑う       玉木 康博
悪茄子の花仮設にも子守唄        前田  弘
藁屋根にひときは高き夏蓬        長澤 義雄
戸締りを終えししじまや秋の声      夏目  瑶
灯下親し沈思のための詩歌かな      佐藤 映二
その中に黙する虫も虫しぐれ       山口 楓子 
コンコース抜ければ街の秋めける     秋山ふみ子
道の辺の乾び蚯蚓や驟雨来る       三浦 土火
床の間や先祖しはぶく盂蘭盆会      大森 敦夫  
ごみの日の分別表貼る冷蔵庫       飯田 玉記
棘多き山椒の枝の空蝉よ         石橋いろり
八月は省み思ふこと多し         佐藤 浩子
湯畑の湯気とんぼうの果てたるや     加藤 寿雄
松虫の存問ありてひとり闇        関根 曳月

◇第7回 俳句研究会

7月30日(日)立川市子ども未来センター
担当幹事 吉村春風子・佐々木克子・玉木康博・稲吉豊・根岸敏三・大森敦夫・白尾幸子
参加者29名
★講話・・・石橋いろり氏「俳句と絵画」

七月の沖より雲の力瘤          越前 春生
滴りや両手に受くる山の精        長澤 義雄
牛飼ふと貯金始むる夏休み        柏田 浪雅
「喰わっせさ」と切り分け西瓜どんと出る 関   梓
西日濃し暮しの中を神田川        稲吉  豊
夏兆す画鋲の残る掲示板         山崎せつ子
端居して言ひ置くことをそれとなく    吉村春風子
百畳間一畳拝借三尺寝          河井 時子
焼跡にきれいなタイル終戦日       根岸  操
あかつきの光あつめて蓮ひらく      佐々木克子
一喝を黒板に打つ夏期補習        山口 楓子
首振つてうなる昭和の扇風機       三浦 土火
休日のサラダ七色朝の蝉         小田  笑
草を刈り風がいいのにまだ飛べない    川島 一夫
人生は高波を待つサーフィンだ      永井  潮
水飲んで飲んでは締めの冷し酒      根岸 敏三
草とりや庭のギャングを束にする     大友 恭子
七夕の宵月赤む帰宅バス         玉木 康博
背(せな)の子の寝息いつしか祭笛    紺谷 睡花
老鶯や建築計画見て通る         水落 清子
雲つかむような手つきで鰻焼く      高野 公一
おとうととにいにい蟬を追ひにけり    水野二三夫
波音や鼠花火の爆ぜしあと        大森 敦夫
落蟬を見て見ないふりしてあばよ     前田  弘
妙高の青い稜線夏まつり         白尾 幸子
蝉の穴這い出る場所を間違えた      櫻本 愚草
下町の土用のうなぎ匂い出す       戸川  晟
遠雷の雲うごき出す葉擦れ哉       淵田 芥門
人類のエゴとデブリと蛇の殻       石橋いろり

◇高野ムツオ先生全句講評in東京多摩 
日時 平成29年5月15日
会場 立川市子ども未来センター

当日は、四四名の受講者が予め提出した二句についてた高野先生にご講評を頂いた。
筆者の選により各自一句を掲載させて頂く。

泰山木の花憲法の七十年        岡崎たかね
母の日や今も聞こゆる「おい、武史」  宇賀いせを
春分の酸素とり込む胎児かな      関   梓
今にして祖父母の恋は杏の花      栖村  舞
鳥の恋入れてイギリス館の窓      藤井 みき
征く父を追へばふりむき汗ひかる    浮海 早苗
初春や「へ」の字に結ぶ写楽の絵    大友 恭子
指先に六年分の花の冷え        佐々木克子
水色の無人駅へと桜東風        石橋いろり
雨止んで辛夷は鳥の翔ぶかたち     山崎せつ子
高鳴りの三味に落ちゆく榾火かな    古川 夏子
五感みな五月の森の中にかな      高坂 栄子
伝へたき言の葉持たず鳥雲に      山口 楓子
木下闇城は維新を戦はず        水野二三夫
春の闇をとこの使ふ京ことば      稲吉  豊
ゴメ渡る五十集おみなのしやがれ声   関根 曵月
華やいで明日が気になる梅の花     戸川  晟
梅三分碑面に深く東歌         小山 健介
眠さうな光をまとふ猫柳        秋山ふみ子
六枚の手書き新聞風光る        夏目 重美
翻車魚をたぐりよせたる春の潮     越前 春生
声明の海へ吸わるる春の雪       永井  潮
グラシンの表紙の音や若葉風      根岸  操
春雷や若き日の悔よみがへり      夏目  瑶
薄き雲崩し水尾引く春の鴨       佐藤 光子
マロニエの国に嫁ぎて親となる     田山 光起
存在という静けさの青胡桃       高野 公一
書画遊心春の心も妖しけれ       清水 弘一
けふ牛になりたき虫の穴出づる     柏田 浪雅
あやふやな校歌は彼方春霞       大森 敦夫
野の木瓜の蕾は堅し井月忌       三浦 土火
じゃんけんの拳空切る夏野かな     長野 保代
うれしくて戻らぬ兎春キャベツ     佐藤八重子
春の闇豊洲ベンゼン水面下       三池  泉
凧揚げの少年白き喉仏         吉澤 利枝
家を出る覚悟固まる涅槃雪       平田  修
革マル派菜の花茹でて彼を待つ     宮井 洋子
竃猫神の顔してどこへやら       蓮見 順子
ふらここに心の揺れの同期せず     蓮見 徳郎
墓原の闇夜にぎはふ花吹雪       沼井由紀枝
昼蛙人には言へぬこともあり      籾山 洋子
漱石の不機嫌になる春の午後      西   遥
誰にでも好かれる俺に春の蠅      網野 月を
春の野に風の詩あり草の私語      吉村春風子
 講評はやや辛口であったが、良いところは更に強調し、捨てるべきところは思い切ってカットするなど、作句の本質を教えて頂いた。一句の中に景が見え、それをどのような心で捉えるかが俳句の心情である。
(吉村春風子記)


◇第七回東京多摩地区現代俳句協会賞 
「途中」 三浦 文子 

   夏岬亡夫の見しもの我も見る
   混み合える流灯のゆるやかなり
   金魚が一匹買い足されている
   過去ひとつ実印で消し驟雨かな
   蛇のかたちの神様に会釈する
   帰省子の田に手を洗う夕べかな
   古道具山田商店雲の峰
   あの夏の肩幅が思い出せない
   旱星一人に一人かけ寄りぬ
   ロボットにだまされてやり夏休み
   擦り傷の血は鉄の味晩夏光
   傷痕のある白桃の微光かな
   蟬はげし己が命の短さに
   空蟬の欠片どこまで吹かれゆく
   廃屋を呑んでいよいよ蔦青し
   炎帝に操られ日暮はやわらか
   大漁の鯖が飛び交う鯖の上
   ふあっと夏の蝶水が飲みたい
   炎帝が強いか拳が強いか
   夕焼けを浴びて行先ふと変える
   夕焼けの終の赤は白ならん
   愚直さのふとさみしけれ胡瓜もみ
   横に来て犬の荒息晩夏光
   送り出てすこし毟りぬ夏の草
   にこにこと疲れ白靴揃えおり
   地球儀の中は空っぽ夏終る
   亡くしても亡きこと不思議百日紅
   土用波悔いなく崩れ白い遺書
   ねんごろに落蟬を掃き途中なり
   こおろぎのらくになりたい闇さがす



受賞の言葉 「俳 縁」  三浦文子
 此の度は「第七回東京多摩地区現代俳句協会賞」という身に余る賞をいただくことになりまして、戸惑いを感じながらも感激し身の引き締まる思いでいっぱいです。
 思い起こせば二十余年前、当時俳句を嗜んでおりました母親が、無断で結社に入会の手続きをとってしまったというのが俳句との御縁の始まりでした。「文子という名を付けたのだから大丈夫、きっと好きになる。」という乱暴極まりない理由でしたが、暗示にかけられたように俳句の道を歩き始めたのも、我ながら不思議なことです。
 この様にいい加減に始めた俳句を今日まで続けてこられたのは、きっと次から次へと頂く素晴らしい俳句あればこその御縁の御陰だと確信いたしております。沢山の諸先生方、諸先輩、句友の皆様に大切なことを溢れる程教えていただきました。
 句作りに行き詰まった時には、大坪重治先生から「日常のなかに―いのちの在所をめざす―言葉より大きなものを」と教えていただきました。五年前にスーパーマンのような最愛の主人を亡くしました。味わったことのない悲しい日々ですが、句友の皆様に「乗りこえるしかないのよ。」と励ましていただきました。
 少し乗りこえたかなという思いで応募させていただいたのが今回の真相です。本当にありがとうございました。何卒今後ともよろしくご指導の程、お願い申し上げます。

◇三浦文子氏・略歴
一九四六年 福井県福井市生まれ
平成 四年「水明」入会(一二年退会)
平成一二年「ぽお」同人(二〇年終刊)
平成二五年「歯車」入会

◇第七回東京多摩地区現代俳句協会賞・入賞作品・佳作
   「花合歓」  新井 温子


   花合歓を見上げるやわらかな時間
   夏休み遊覧船に乗ってくる
   柏餅うれしいときは手を洗う
   筍を茹でる炒める黄昏れる
   空想に蟬が入ってきて困る
   みずうみに大夕焼を置いてくる
   十薬の匂い亡き人現れる
   雲海の大波小波子守歌
   夏空へ牛追い唄の消えてゆく
   糸電話蟬の穴より伸びている
   鯉の群れ入道雲をこなごなに
   噴水の生まれ出るとき無言なり
   炎天下時間が雑に過ぎてゆく
   手の平の空蟬あとは任せます
   行先は螢袋の中にする
   あきらめは受け入れること白日傘
   空蟬は大きな嘘をついている
   幸せは自分で決める温め酒
   満月の大きな目玉見つめ合う
   逃げる波追いかける波星あかり
   雲流るむかし集落いま枯野
   あきらめは氷の溶ける音に似て
   白鳥の帰り支度を見に行かん
   陽炎やフォークリフトのやさしい手
   聖地向く男の背中風光る
   春の風耳ひとつあるティーカップ
   水温む一足す一の間柄
   失念すただそれだけよ春うらら
   ともすれば少し寄り道花筏
   たんぽぽの絮直角に曲れない


「ぽっつんと」  蓮見 徳郎  

   元日やこと無く暮れて灯を点す
   新妻の箸ころがって女正月
   祝言も挙げずこの家に嫁が君
   山笑うわし等も笑う鶏は鳴く
   海市立つ方舟を待つ人の黙
   誘われてふと夜桜の向こう側
   廃校に見よ満開の桜かな
   目よ覚めろ桜の下で死んだ夢
   汐干潟一人にひとつ穴がある
   行く春や踏まれしままの邪鬼の首
   梅雨深し自販機の口開いたまま
   いないとは知りつつ覗く蟬の穴
   からっぽはなんでも入る蟬の穴
   尺取は三歩進んで二歩を待つ
   片陰を金魚のごとく行く女
   走ったら元気になると羽抜鶏
   蚊帳吊って何処も入り口また出口
   三尺寝マリオネットのごと起きる
   ジャズ鳴らす店は閉めたよ百日紅
   生者死者みんなぐるぐる盆踊
   引力はわが軒先の糸瓜かな
   ボタ山にガラス細工の月が出た
   ほどほどの距離心得て俺と月
   帰り道ポテトチップのような月
   秋の蚊や長らいすぎたテロリスト
   洗いきる白菜の山でかい尻
   焼き芋のバックリ割れて焼け野原
   冬蜂の死亡推定昨夜雨
   井戸竃竃の灰もみんな神
   投函の音ぽっつんと冬ざるゝ


◇平成二十九年度定時総会
 平成二十九年度定時総会は、三月十九日(日)、桜の蕾も膨らんだ穏やかな日和のなか、五十四名の出席を得て開催された。
 来賓に現代俳句協会本部から前田弘・幹事長、千葉県協・檜垣梧樓副会長、東京都区協・青木栄子幹事長、神奈川県協・尾崎竹詩事務局長のご出席を頂いた。
 夏目重美幹事の司会により、恒例の会歌斉唱、永井潮幹事長の開会宣言に続く柏田浪雅会長の挨拶では、当地区協顧問の安西篤さんが第十七回現代俳句大賞に選ばれ、三月二十五日の現代俳句協会総会で受賞されることが報告され一同拍手でお祝いした。
 会長挨拶のあと、永井幹事長より新入会員の紹介があり、出席された大森敦夫氏が抱負を述べられた。
 来賓の方々からそれぞれ温かいご挨拶を頂いた後、議長に清水弘一氏、副議長に佐藤八重子氏を選出し議事に入った。

平成29年度定時総会・来賓の四氏・左から檜垣梧樓氏、尾崎竹詩氏、青木栄子氏、前田弘氏


一、 平成28年度事業報告
二、 平成28年度収支報告及び会計監査報告
三、 平成29事業計画案
四、 平成29年度収支予算案
五、 役員一部変更の件
 以上、すべての議案が原案通り承認、可決されて議事を終了した。
 休憩後、第7回東京多摩地区現代俳句協会賞の審査経過と発表が行われ、協会賞に三浦文子氏、佳作賞に新井温子氏と蓮見徳郎氏の二名が受賞と報告され表彰された。協会賞の三浦文子氏には表彰状と花束の贈呈のあと、受賞者を代表して謝辞が述べられた。
 続いて「陽春俳句会」となり、選者選の披講と成績発表が行われ、高点15位までの入賞と特別選者からの特選賞が手渡された。来賓の方々、顧問、参与、会長、幹事長から講評をいただき俳句会は終了。地区協報告のあと、戸川晟副幹事長の閉会の辞で総会、陽春俳句会の行事を無事終了した。
 引き続き同会場で懇親会が開催された。稲吉豊副会長の司会で始まり、青木栄子都区協幹事長の発声で乾杯、和やかな楽しいひとときを過ごし、新会員大森敦夫さんの一本締めで散会となった。    (飛永百合子記)

◇第6回 俳句研究会
6月24日(土)立川市子ども未来センター
担当幹事 小山健介・佐々木克子・玉木康博・根岸操・稲吉豊・藤井みき・関 梓・白尾幸子
参加者45名
★講話・・・浮海早苗氏「芥川龍之介と俳句」

リビングにみんな素足の日曜日      飛永百合子
たくさんの目高孵化させ文具店      根岸  操
里山を容れて定まる植田かな       稲吉  豊
病む妻のヘアピン拾ふ走り梅雨      越前 春生
刈草のわつと匂へる母の家        小田  笑
あじさいの風に押さるる車椅子      関   梓
貨車すぎる積み残されし大夕焼      河井 時子
人の名を金魚に付けて家族とす      紺谷 睡花
噴水と一年生が背伸びする        新井 温子
合歓咲いて今朝の会話のやわらかし    山崎せつ子
竹皮を脱ぐ野心などありません      佐々木克子
かたつむり自在といふも寂しけれ     藤原はる美
野仏のごと一人餉(めし)梅雨に入る   関根 曳月
生き死にの身に近くあり青簾       宮井 洋子
本当は百合に生れたかった私       戸川  晟
流木を分け合い父の日の親子       前田  弘
二人連れ蛇見た後は無口になる      前田 光枝
生きるとは日々の暮らしや梅を干す    吉村春風子
焚き上ぐる浜の流木魂迎へ        三浦 土火
五月闇ジャコメッティの男かな      松元 峯子
ポニー先頭茅の輪くぐりの園児たち    水野二三夫
夏椿落つ会話の中へさりげなく      門野ミキ子
竹の花沖には明るすぎる海        小山 健介
ザリガニの色濃く噴井育ちかな      佐藤八重子
チェンジとチャンスは似てる更衣     永井  潮
電球の昏さ懐かし金亀虫         柏田 浪雅
金魚苦吟して舌頭千転泡ひとつ      淵田 芥門
何時来ても展示金魚は無愛想       水落 清子
梅雨の蝶いつかは「ノラ」になるのです  石橋いろり
日輪やのぼりつくして凌霄花       大友 恭子
花合歓や睡眠負債という重み       西前 千恵 
来し方をかたる書斉や水羊羹       白尾 幸子
終バスや闇に白あり姫女菀        玉木 康博
海老蔵を大人にしたる妻逝く夏      浮海 早苗
雨の日は雨の色なる濃あじさい      長野 保代
冷凍の切身ふた切世界知る        櫻本 愚草
アデューに込める一途やパリ祭      山口 楓子
梅雨晴間しゃべって笑って十三回忌    飯田 玉記
一日は水湧くやうに夏木立        中田とも子
桜桃忌跨線橋打つ縞の傘         大森 敦夫
粋すじの人や浴衣は鍵の柄        藤井 みき 
父の日は送迎バスで日帰り湯       長澤 義雄
轟音の戦車過ぎ行く夏の夕        根岸 敏三
宇宙服脱ぎ捨てており桜見る       川島 一夫
竃飯秩父の郷の土間湿り         辻  升人

◇第5回 俳句研究会
5月27日(土)立川市子ども未来センター
担当幹事 稲吉豊・佐々木克子・玉木康博・浮海早苗・藤井みき・関 梓     
参加者43名
★講話・・・根岸 操氏「生誕150年・正岡子規」

日の匂ひ抱へておろす鯉のぼり      越前 春生
幸せの詰め放題やさくらんぼ       吉村春風子
尺取の前足が待つ後足          小田  笑 
花茨棘より痛きひとの嘘         紺谷 睡花
古びたる母の字微か梅酒瓶        河井 時子
国の名の珈琲豆挽く朝ぐもり       藤井 みき
方丈の端に消火器青あらし        稲吉  豊
ふるさとという砦あり粽結う       佐々木克子
昼顔がわたしにからみついてくる     松元 峯子
良い靴にめぐり逢えたる聖五月      永井  潮
新緑や無人駅にも出店立つ        青木 一郎
世渡りの下手な風着る鯉幟        地原 光夫
二礼二拍手一山したたる緑かな      西前 千恵
庭園の風は一色夏帽子          秋山ふみ子
庭園の暗さつき抜け夏の蝶        水落 清子
子どもの日駄菓子屋という隙間かな    白尾 幸子
荒梅雨や東京五輪まで平和        戸川  晟
下馬評に無かった漢羽抜鶏        柏田 浪雅
善人のふりして半年聖五月        宮井 洋子
薯の花よい子へんな子ふつうの子     門野ミキ子
猿おがせ個人情報風にゆれ        石橋いろり
反抗期ときには祖母と草むしり      飯田 玉記
葉桜や遠き昔の櫂の音          浮海 早苗
断捨利に難儀してをり夏落葉       三浦 土火
母の日の母の躾は男並          前田 光枝
竹の皮九条辺りに脱ぎ散らす       櫻本 愚草
群れ咲きて一人静の賑賑し        夏目  瑶
麦秋の風を孕まん白ブラウス       水野二三夫
翻意して泰山木の花の坂         関根 曳月
空に雲むかし麦藁帽に紐         飛永百合子
リハビリや一歩一歩を緑陰に       関   梓
便箋の春の夕日を使い切り        前田  弘
風呂で読む英単語帳夜の新樹       根岸  操         
現在の父に逢ひたし五月鯉        淵田 芥門
大空の凹(へこ)んだところ春愁     大友 恭子
サクラ海老パスタの波に乗っている    玉木 康博
仰ぎ見る水の匂いの桐の花        山崎せつ子
みそ餡の売り切れ早く柏餅        佐藤八重子
要らぬもの削ぐもの落とし五月晴     川島 一夫 
人去りて真闇に戻る蛍の夜        長澤 義雄
誘い合い湯島天神夏祭り         根岸 敏三
核持てば強いと信ずる北朝鮮       玉井 吉秋
では又と終のたよりやさみだるる     山口 楓子

◇第4回 俳句研究会
4月22日(土)立川市子ども未来センター
  担当幹事 戸川晟 佐々木克子 玉木康博 山崎せつ子 藤井みき 石橋いろり
  参加者45名
★講話・・・対馬 康子氏「中島斌雄について」

何事もなき日尊し黄水仙         越前 春生
たんぽぽより早起きをして誕生日     幸村 睦子
落椿ひとりがいいと思ふとき       大友 恭子
桜散る諸手で受ける青い空        青木 一郎
カルテより一斉に蝶飛ぶ気配       佐々木克子
伝言が途中で消えるげんげ畑       前田 光枝
連結の一輛を足し春惜しむ        根岸  操
雁行や地を蹴る脚のたたまれて      対馬 康子
舟の跡揺れて戻して花筏         三ツ塚くにお
さよならが力生み出す卒業式       玉木 康博
猪ご用達裏山の筍レストラン       石橋いろり
囀や白杖のひと追い越さず        紺谷 睡花
春昼や振子時計の大欠伸         佐藤八重子
去り際の猫の一瞥春炬燵         稲吉  豊
ポケットにしまい込んでる春愁      新井 温子
曲り江や鰆の起こす波頭         山口 楓子
朝桜より青空の始まりぬ         門野ミキ子
日に遊び風に戯れ雪柳          吉村春風子
いぬふぐり転んだわたし見詰めてる    夏目  瑶
吾こそは初蝶なりと言いて去る      高野 公一  (高ははしごだか)
そして春人の作りし放射能        水落 清子
先の世に聞きしおぼへの遠蛙       三浦 土火
花吹雪七十七段登り切る         宮腰 秀子
花のいのち理科の時間に考える      永井  潮
花衣脱いでジーンズ楽に穿く       河井 時子
「ただいま」と写真にあげる水羊羹    飯田 玉記
どこまでも進化する君花吹雪       西前 千恵
蒲公英の山手線を見下ろせり       秋山ふみ子
乳母車の一列縦隊花疲れ         新川 万里
花冷や街のどこかでハンバーグ      大森 敦夫
香水をためらう年となりにけり      廣瀬 孝子
原子炉にひらがなの雪ほろほろと     櫻本 愚草
空腹の戦後の匂い蓬餅          戸川  晟
蓮華草見に来てぺんぺん草ばかり     小田  笑
痛いとこ飛んで行かない穀雨かな     宮井 洋子
散り急ぐ花びらどれも血がにじむ     山崎せつ子
赤ちゃんの手足ぷにゅぷにゅ春光眩し   松元 峯子
行く春や長生きの友ほしくなり      白尾 幸子
わが論の敗れたる日よ花筏        柏田 浪雅
雪柳明日はどっちへ靡くやら       川島 一夫
暗き湯の雪垣外す湯守かな        淵田 芥門
東京に美しすぎる春の虹         長澤 義雄
春落葉あの世代はと括りけり       藤井 みき
蕗御殿あるじ亡くして蕗青し       浮海 早苗
横綱になった春場所優勝旗        玉井 吉秋

◇平成29年 春の吟行会 
4月8日(土)  国立市 観桜会  参加者43名
 国立駅南口から続く桜並木は満開の見頃を迎えていた。気温の低い日が続き、開花から満開まで約1週間長びいている。雨も上がって花曇りの空からは時々陽が漏れる。道路をはさんだ左右に1粁ほど続く桜の古木と、一橋大学構内が吟行ポイント。
 例年より1か月早め、今年は数年ぶりのお花見吟行、常連の顔ぶれに加え事業部長の所属結社からの応援も入ってにぎやかな句会となった。

(当日の作品)
(入選15句)
花曇り桜通りという大河         飛永百合子 
人生の放課後桜を浴びている       堀部 節子
子が駈けて父が後追ふ花吹雪       吉村春風子
花の雨煉瓦校舎の色深む         根岸  操
路地あればとにかく覗く桜人       稲吉  豊
国立は記憶の引き出し花の雨       宮井 洋子
爛漫の観桜ポイント歩道橋        中島 貞夫
花曇り幹黒々と眠くなる         山崎せつ子
その先は行ってはならず花万朶      高野 公一
さくら散る私を置いて行かないで     永井  潮
花の路地ロージナ茶房ランプの灯     関   梓
たをやかに生きんと思ふ花曇       中田とも子
走り根を追って噴き出す桜かな      澤村いづみ
造形は「風の球体」桜散る        井上美沙子
虚子の日の桜さくらに遊びをり      中野 淑子
  (一人一句)
学園の雨にまどろむ花辛夷        宮腰 秀子
花ひらく市民の誇り糧として       井上 愛子
学生街のパンの匂いや紅しだれ      野口 尚子
桜よりなお桜色笑みあふる        西野 章子
花の雲バスくぐり抜けくぐりぬけ     秋山ふみ子
微調整できないからだ花万朶       岸本 陽子
さくらさくら雨の匂ひの惚れぐすり    大友 恭子
そぞろ行く大学通り春探る        田村 清子 
花曇り空にとけ込む桜色         関根紀代子
「ごめんね」は軽き言葉よ桜舞う     森松久美子
コーヒーのいやす国立花疲れ       佐藤八重子
花ぐもり学園通りのスニーカー      宮澤 雅子
ささやかに古木の小枝花満開       根岸 敏三
桜さくら赤子にわらいかけられし     幸村 睦子
花満つる街角パイプタバコの香      水野二三夫
桜さくら虚子忌のこぬか雨の中      藤井 みき
相傘に行きつ戻りつ花の雨        三浦 土火
人と本繋ぎこの地の桜降る        柏田 浪雅
掌に花びら一杯次の妻          戸川  晟 
桜見てゐて自分の中が見えてくる     小田  笑 
高塔をしのぐ松幹花ぐもり        山口 楓子
植樹せし君も桜も凛と咲け        三山 喜代
近づけば色白なるや山桜         松尾 君枝 
花天井透けてかがやく母と子と      宇賀いせを
花ぐもり古りし講堂重味あり       浮海 早苗
雨上がる胸に標けき桜かな        佐藤 栄子
老桜雨に濡れてはりんと咲き       小澤 正美
花ぐもり四大学の競技中         西前 千恵

◇第3回 俳句研究会
3月26日(日)立川市子ども未来センター
担当幹事  水野二三夫 佐々木克子 飛永百合子 稲吉豊 佐藤八重子 戸川晟 
参加者38名
★講話・・・本杉 康寿氏「『現代俳句年鑑』について」

魚偏をいくつ書けるか春炬燵         永井  潮
花むしろ真ん中に置く赤ん坊         紺谷 睡花
村あげて花嫁送る除雪かな          水落 清子
三月の街膨らんで赤らんで          戸川  晟 
啓蟄や胴上げされし子の未来         三山 喜代
春田打身を退くことは考へず         有手  勉   
ボンネットに落花ワイパーに違反票      稲吉  豊      
四月馬鹿倖せさうな愚痴を聞く        越前 春生
落ち椿ふつと己に戻るとき          吉村春風子
送る春迎える春も分教場           蓮見 徳郎
梅満開絵馬にアラビア文字の列        水野二三夫 
ちらほらの桜の後の兜太節          前田 光枝
飛びたがる風船強く抱きしめる        小田  笑
菜の花に泪いっぱい置いてくる        山崎せつ子
彼岸会や戒名に入る風の文字         宮腰 秀子
墓あれど彼岸に帰る家は無し         青木 一郎
春の宵妣には赤い絵ろうそく         松元 峯子
烈風の中にこそ咲け花辛夷          秋山ふみ子
泣くところさがしておりぬ春岬        大友 恭子
さみしくて亀を鳴かせてしまいけり      佐々木克子
花辛夷空へ漕ぎだす櫂の舟          関   梓
新人は七十五歳葱坊主            飛永百合子
ビルの山脈(やまなみ)谷に花菜の浜離宮   野口 佐稔 
露店から磯焼くにおい花一分         門野ミキ子
サスペンス泥吐く浅蜊の真夜厨        河井 時子
忘れたるものを探しに花菜畑         柏田 浪雅
トイレに詩古木の瘤に初桜          前田  弘     
三月の時刻みたる「もう」と「まだ」     櫻本 愚草   
横綱になれた御礼の初詣           玉井 吉秋
塩まねきのやうに誘つて疎まるる       本杉 康寿
待っててと祈る人あり彼岸かな        片山 正巳
椿落つこの瞬間にして過去になる       飯田 玉記
恋猫のいつも全開自己暗示          川島 一夫
ぶらんこやピースサインの子のひやり     佐藤八重子
かげろうのありそでなさそで恋うふふ     淵田 芥門
三月の渚足音流れ寄る            高野 公一
払ひたき雑念いくつ雪解川          三浦 土火
春茜鳥のとまらぬ大樹あり          石橋いろり

(蓮見 徳郎)